「無意識に叩き込む」という意識的な練習

 ギターの練習は、とにかくメロディーやリズム、ハーモニーを「無意識」の領域に訴えかける練習だと思います。潜在意識とか慣れとも言います。


 これはリズムのエントリで述べた「自転車理論」と同じです。意識せずともできる(自転車に乗れる=ギターが弾ける)ようになるために、意識的に練習を繰り返す必要があるということです。これをアドリブの練習に当てはめて考えてみます。


 アドリブの練習をする際、フレーズやアルペジオを練習したり、コードにあった3rdの音を弾くことは大切です。ですが、意識的のレベルで止まっていてはダメなのです。「ここであのフレーズを使って…ここでこのスケールを使って…このリズムで…」とアドリブ中に考えているのは、自転車に乗っているときに「ええと…ここで右足を動かして…ハンドルを左に切って…左足を動かして…」と考えているのと同じレベルです。練習中はそれで良いのですが、本番にそんなことを考えていたら車に轢かれてしまうかもしれません。

 そこで、意識的な練習を繰り返し行って、意識を無意識化する必要があります。自然にそのフレーズが出るようになったり、コードにあう音符が弾けるようにする必要があります。


 この観点からいくと、いかにトッププレイヤーが「感覚・無意識で弾いている」と言ってもそれは「(今までの意識的な練習に裏打ちされ高められた)感覚・無意識を使っている」という意味だということが分かってきます。そりゃあ練習もしてないのに何も考えずに自転車に乗ったら大怪我しますよね。